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第12回障害者支援施設部会全国大会in広島

令和6年12月19日(木)20(金)の2日間、障害者支援施設部会全国大会に参加しました。

1日目は共生社会に向けた意思決定支援のあり方をテーマに講演とパネルディスカッションが行われました。

利用者の意思決定には職員や世間一般の価値観を押し付けず、本人の意思を最大限に尊重する姿勢が必要である事、その際のリスク管理と安全性のバランスを見守る体制作りが我々支援者に求められる基本原則となります。特に入所施設では施設外での様々な体験をする機会が少なく、固定化した人間関係と集団性、リスク回避からくる説得的コミュニケーションやパターナリズムが意思決定支援を阻害する要因であると話されていました。

2日目は共生社会における支援施設の役割と責任をテーマに、地域に根差す入所施設のあり方を実践報告を交えたディスカッションでした。地域の抱える課題に入所施設の専門性を還元する事で入所施設が地域の一部となり、地域住民との交流が活性化される。入所施設が地域住民の生活の一部となる事が地域での存在意義となり、入所されている利用者も地域社会との接点が増える。利用者の経験拡大や密室性の解消にも繋がると話されていました。

2日間で共通する事は、利用者が「どこで、誰と、どんな生活を送りたいか」を意思表示できるための、様々な経験と選択肢の提供です。言語での意思表現が困難な利用者には表情や仕草からその方の意思を読み取る支援員のスキルと信頼関係の構築が重要です。

入所施設のあり方については様々な意見がありますが、個別性とめりはりのある生活を提供し、「脱施設化」を実現する事が大切で、共生社会に向け、地域からも必要とされる施設運営を心掛けたいと思います。

施設長:藤 重樹